内視鏡検査で全身麻酔が選択される代表例として、小児症例と意識障害患者があげられます。安易な全身麻酔はリスクが高いため、慎重な適用考慮が必要不可欠です。
小児全身麻酔下での内視鏡検査において最も留意が必要な点
小児に全身麻酔を用いる場合、呼吸管理のスムーズな実施と循環動態の緊急変化への対応力が鍵です。とくに乳幼児期には生理機能の未発達や全身状態の日内変動が大きいという特性があり、細心の呼吸・循環管理が要求されます。内視鏡挿入手技を優先させるあまり、全身状態への配慮が疎かにならないよう、十二分な医療チーム構成を組んでおく必要があると考えます。
意識障害患者に対する全身麻酔使用の判断基準
意識障害患者では全身麻酔の使用適応は慎重に考えるべきですが、必要に応じ選択すべき場合もあります。例えば頭蓋内圧亢進症例や全身痙攣重積症例では、全身麻酔下での迅速な内視鏡検査が新たな脳障害進展を防ぐことが期待できるためです。ただし全身麻酔投与によって循環動態悪化を招くリスクは無視できず、メリットデメリットを天秤にかけたうえで医師間で慎重に協議し決定すべきでしょう。