3月 14, 2025
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最近の内視鏡検査は痛くないという噂は本当?

最近は内視鏡検査でも痛みがほとんどない、とよく聞く話ですが、果たして本当でしょうか?確かに技術の進歩により低侵襲化が進みましたが、個人差や部位差があるのも事実です。マイナスなイメージを払拭するには尚、改善の余地があると考えます。

鎮静法の多様化と適用拡大で抑制は期待できるも

従来の鎮静剤であるミダゾラムやプロポフォールに加え、新規薬剤としてデクスメデトミジンやフェンタニルの適用拡大が進んでいるのは事実です。鎮痛と鎮静の両立に効果を発揮しており、痛み抑制への寄与は確かなものがあると思料します。ただ効能発現時間や作用持続時間に違いがあることから、使用する鎮静剤の特徴を理解したうえで、症例に合わせた選択をすることが欠かせません。

挿入時の痛み違和感は個人差が大きいのが現状

痛覚の個人差こそ最大のバリアといえるでしょう。鎮静法の選択肢が広がったとしても、性別、年齢、病歴などによる差は依然大きいのが実情です。慣れの効果や精神状態の影響も無視できません。「痛くない」と一概には言い切れない以上、患者の不安感を前提としたうえで、丁寧にフォローしていく努力が医療者には求められているはずです。